当社の歩み
創業以来、マンション管理一筋。2011年には創業40周年を迎え、次のステージへ歩みを進めました。
浪速管理の歴史には、斬新なアイデアと果敢な実行力のもとで生み出された数々の実績とノウハウがあります。
常に居住者の視点で考え、マンションライフの「安心」「安全」、そして安定を育んできた私たちの創意工夫の結晶。
今では業界標準に育った管理システムも少なくありません。マンション管理の歴史は、まさしく浪速管理の歴史。私たちのこれまでの歩みをご紹介します。
1971-1980 手探り状態からスタート
マンション管理草創期に
1971年、野﨑弘毅が有限会社浪速管理を設立した当時は、住宅の都市集中化・住宅ローン制度の誕生等でマンションブームを迎え、区分所有という新たな居住形態が飛躍的な普及を遂げる一方で、住まい方や管理運営のルール化は十分とはいえない状況でした。
まさにマンション管理草創期に創業した当社の社名には、関西を基盤として<より良い住環境創りに誠実に奉仕する>分譲マンション専門の独立系管理会社として活躍する決意と誇りを込めています。
1977年には株式会社に改組し、総合管理システムによる業務を開始しました。
先進の管理システム構築
管理の基本は法律行為がすべての出発点です。区分所有法や規約、契約等々が業務の中心にあるからです。当社は民法でいう「善管注意義務」を基本理念に据え、専門知識を発揮しました。その核となるのが居住者視点で構築した先進の管理システムです。
主要業務の一つである管理費等の収支管理については、本社で集中管理を実施。自動振替制度導入・月次収支報告書提出・財産の分別管理など、透明性のある会計システムが信用を厚くしました。
今では当然のように考えられている管理者賠償責任保険も、この頃に当社の提案で創設されたものです。
優れた管理員の育成に注力
同時に力を注いだのが社員の研修指導です。中でもマンションの第一線で業務に携わる管理員の対応は管理の良否を大きく左右します。
そこで、全管理員を一堂に集めて毎月研修会を実施する他、管理日報で常に現地の状況把握に努め、適切な指導と対処ができる本社のバックアップ体制を整えました。
長期修繕計画立案に着手
また建物・設備の適切な維持保全には、資金の準備を含めた長期修繕計画が必要です。当社では1977年から本計画立案と定期的な見直しに着手し、計画的な工事実施と積立金設定の提案ができるようにしました。これも業界他社に先駆けた事業です。
このように充実した本社機構とバックアップ体制を整え、本社と管理事務所を一体とした独自の管理システムで推進する基盤を固めながら信頼を積み重ねていきました。
1981-1990 創意工夫で業界をリード
柔軟な発想で総力を挙げて
その後、マンションが都市型住宅の主流として定着するに伴い、組合運営や共有財産の維持保全をめぐる諸問題が噴出し、解決の道を強く求められるようになってきました。
当社はそうした社会背景と居住者ニーズに基づき、マネジメント・メンテナンス・コミュニティの各サービスを連動させた柔軟な発想でソフト&ハードのサポート体制を強化し、総力を挙げて住環境の充実を目指しました。
安心の24時間管理体制
1981年、電話回線を利用した24時間無人管理システムを導入。夜間や休日等の設備のトラブルに備えて技術スタッフが365日・24時間体制で本社管理センターに待機し、緊急事態に自社スタッフが敏速に対応する大きな安心の提供です。
浪速技建設立でさらに躍進
翌1982年には、初のグループ会社、株式会社浪速技建(一級建築士事務所併設)を設立し、メンテナンス業務を移管しました。建物・設備の点検から整備・施工まで、マンション管理のハード面をトータルにカバーする技術者集団です。これにより「浪速管理」と「浪速技建」が車の両輪のごとく連携して業務にあたる事業スタイルを確立。大規模修繕の工事監理や修繕履歴作成に反映するなどマンションライフの継続的な安全・安心を追求し現在に至っています。
このように当初から経年化に備える管理姿勢は各方面で注目されていましたが、1984年にNHKのテレビ番組「関西新住宅事情」で取材を受けて野﨑弘毅がその重要性について語った内容は反響を呼び、管理会社の果たすべき社会的役割を広くアピールする第一歩となりました。
多彩な独自サービスの提供
コミュニティ形成の支援にも独創性を発揮し、1982年にコミュニティ紙「ザ・マンションL&M」を創刊。1984年には「事務センター」を設置し、コンピュータをはじめ各種高性能印刷機器を備え資料作成に活用。各マンション決算時にはA4冊子の総会資料を全戸に提供し組合業務に貢献しています。翌1985年に「環境整備月間」を設定し、毎年春と秋の2回実施。徹底した作業で住環境向上に努める月間です。
さらに1989年からは、<好きです!花と緑のある暮らし>を合言葉に緑化推進に着手。自社栽培の草花に彩られたエントランスは近隣からも好評で当社の代表的なサービスとして浸透しています。
こうした創意工夫は「今日の安らぎ、明日への安心」をモットーとする企業姿勢とともに定着し、受託戸数は3万戸を突破。昭和から平成へと成長のスピードを加速していきました。
1991-2000 住環境創造企業へ真価発揮
本社機構を拡充
分譲マンションのストックは1991年に230万戸を超え、2000年には396万戸に。マンション管理会社は、新時代の住環境創造企業として取り組むべき問題もさらに拡大してきました。
当社は創業20周年にあたる1991年、業績拡大にあわせて本社機構を拡充、オフィスコンピュータ最新機器への大型入替えも行い、業務効率は飛躍的に向上しました。質の高い管理と細やかな対応が評価され、既存マンションからの受注を多くいただくようになったのもこの頃です。
危機管理体制を強化
1995年の阪神・淡路大震災発生でマンション管理を取り巻く環境は急速に変化し、人々の関心や意識にも大きな変化が生じました。
当社はこれを機に、円滑な合意形成のシステムづくりの視点でコミュニティサービスを一層充実させるとともに、危機管理体制を強化。その一環として、管理スタッフに「普通救命講習」の受講を標準化しています。実際に居住者の人命救助に役立ったという嬉しいニュースもありました。
協会運営への積極的な参画
マンション管理の草分け的存在である当社は、業界での幅広い活動も続けています。
1996年、高層住宅管理業協会理事に創業者・野﨑弘毅が就任。業界発展への献身的努力もさることながら「管理費等保証制度の設立・マンション保全診断センター業務の充実」など積極的な取り組みが高く評価されたものと思われます。以来、数々の要職を歴任し筆頭副理事長を拝命するなど協会運営に深く携わり、その後の「管理適正化法」制定にも大きく貢献しました。
業界初ISO9001取得
2000年にはISO9001の認証を取得。認証範囲はグループ会社を含めたマンション管理業務全般にわたり、この分野での取得は「業界初」となりました。当社の品質の高さを裏付けた取得です。
LANシステム導入による社内の情報インフラも既に整備され、新時代の良住環境を創造する提案型企業としてのサポート体制が飛躍的に充実しました。
2001-2010 原点回帰で新たな価値創造
21世紀の幕開けに
新世紀の幕開けに創業30周年を迎えた当社は、積み重ねた技術とノウハウを広く社会に産み出す決意で新たなチャレンジを始めました。
まずは2001年の管理適正化法施行に伴い、翌年春に受託管理組合理事長を対象に「特別セミナー」を開催。これにより管理組合とのパートナーシップは一段と向上。
2005年にはオービックと共同で「新マンション管理システム」を開発。さらに付加価値の高い業務提供が可能となりました。本システムは、パッケージソフトとして全国発売されました。
35年のノウハウを全公開
2006年は当社にとって特別な年になりました。創業35周年を迎えた感謝の思いと創業時からのノウハウをすべて盛り込んだ「マンション管理の道しるべ」を8月に出版。快適なマンションライフの生きた手引書として役立ち、さらなる管理の品質向上と業界の社会的地位向上を願った当社の真の姿です。
同年11月には創業者・野﨑弘毅が「黄綬褒章」を受章。35周年の有終の美を飾る大きな喜びで、全社員の誇りと励みになりました。
こうした真摯な取り組みのもと2007年には受託戸数5万戸を突破し、信頼の輪の広がりとともに業界での存在感は一段と高まりました。
高齢化対応にも多様な研鑽
マンションが必ず直面する「2つの老い」の課題について、建物の老朽化に対しては当初から計画的・経済的なメンテナンスと適切な大規模修繕の実現に力点を置いているのが、当社の最も先進的だと自負している体制です。
一方の居住者の高齢化に対しては、管理員研修で「認知症サポーター養成講座」や普通救命講習会にAED(自動体外式除細動器)の実習を加えるなど多様な研さんを積み、笑顔の「声かけ運動」も展開してきました。
事業基盤をより強固に
2010年には、知識・知恵・情報を共有した提案型業務の一層の進化を目指し、本社1階をセキュリティに配慮したスペースとして刷新するとともに、コンプライアンス体制も整備しました。
そして年末には、創業者の野﨑弘毅社長が会長に就任し、野﨑孔作副社長が社長に就く新体制を確立し、事業基盤をより強固にしました。さらなる飛躍への挑戦です。
2011-2020 新たなステージへと
積み重ねた歴史を礎に
2011年に起きた東日本大震災により、改めて危機管理対策の重要性やコミュニティの大切さが再認識され、マンション管理にも大きな波紋を投げかけました。さらに分譲マンションは、居住者の高齢化と建物の経年劣化という困難な課題を抱え、より高度な管理が求められるようになりました。
浪速管理では、管理スタッフの質的向上を第一に掲げ、一層の研さんを重ねるとともに、社員一人ひとりが管理のプロとしての意識を高め、お客さまにご満足いただける良住環境づくりに励んでいます。積み重ねた歴史を礎に、私たちはより高いハードルと責任を自らに課し、新たなステージへと進んでいます。
防災セミナー開催
2013年、管理組合理事長はじめ役員約300名と管理員等合計600名超の参加の下、防災セミナーを開催。山村武彦氏による「管理組合における近助の精神~近くの人が近くの人を助ける防災隣組~」と題する基調講演と藤本佳子氏による「東日本大震災における事例とコミュニティの重要性」の講演をメインに、防災マニュアル作成手引書の提案や前年度緊急対応状況報告等行い、大災害に備える防災対応意識の重要性を管理組合役員と共有し、マンションにお住いの皆様に安全で安心できる住環境の形成を目的として開催。
ツールファイルの配備
2015年、緊急時の掲示物等、様々なシュチュエーションに備えたツールファイルを整備し、各管理事務所に配備。
本社事務所移転
2017年、創業以来の大阪西区から大阪福島区鷺洲に移転。
夜間・休日の緊急出動体制の強化
2018年、従前の体制に加え、警備会社の一次対応を導入し、自社の二次対応とのW体制に強化。